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1.電子消費者契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)
インターネットの利用による電子契約において、消費者保護のため
◆その意思表示を民法第95条(錯誤)の規定により無効にできれば消費者が保護されます。
「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」(民法第95条)
「錯誤」に陥っている
→表示されている意思と内心の意思とが食い違っていることを意思表示した人が認識していない
ただし、相手方との利益調整の観点から、「錯誤」の要件が限定されています。
[要件]
(1)意思表示を「無効」にしてしまう「錯誤」とは、
(2)の要件により、パソコンの操作ミスも事業者によって消費者の「重大な過失」とされてしまうと、無効を主張できなくなります。
★そこで、電子消費者契約法は、
消費者に重大な過失があっても消費者契約を無効にできるようにしました。
民法の特例として
消費者が行う電子消費者契約の要素に特定の錯誤があった場合
消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について民法第95条ただし書の規定が適用されない。
★消費者保護のため無効主張のできる要件を緩め、範囲を拡大しました。
ただし、事業者との利益調整の観点から、事業者が消費者の意思確認措置を適切に講じた場合は、電子消費者契約法は適用されず、民法第95条に戻ります。
民法第95条ただし書きが適用されない要件は、
[要件]
@電子消費者契約の要素に錯誤があった。
A「錯誤」が次のいづれかに該当
※「確認を求める措置」とは、
事業者が消費者に次のことについて実質的に確認を求めていると判断されるようなものです。
意思確認措置を適切に行っていることの主張・立証責任は事業者にあるとされます。
◆民法上の隔地者間の意思表示の成立時期は、発信主義により承諾者が承諾の通知を発したときであります。
しかし、発信主義だと何らかの事情で事業者の承諾通知が消費者に到達しなくても契約が成立していることになり、消費者に不利になります。
★そこで、電子消費者契約法は、
契約の成立時期を承諾の意思表示の発信時から承諾通知の到達時に変更しました。
隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合、
民法第526条第1項及び第527条の規定は適用されません。
電子消費者契約の承諾通知が「到達」するためには、相手方が表示を了知できる状態に達すれば足り、相手方がそれを了知する必要はありません。
インターネットの利用による電子消費者契約で、Web画面を通じた承諾通知は、申込者のモニター画面上に承諾通知された時点で契約が成立します。
電子メールの場合は、申込者の利用するメールサーバー中のメールボックスに読み取り可能な状態で記録された時点で契約が成立します。
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